パーソナルスタイリスト・ツルタです。
たくさんの洋服の中から美しいものを探すのは、至難の業。センスでは偶然の産物しか得られません。ですから、洋服を選ぶ行為も勉強が必要なのです。洋服の歴史を知ると、骨格診断の矛盾にも気が付きます。ウェーブさん必見!ウエストの間延びは優雅なのです。
目次
洋服の歴史からスタイルを学ぶ
ギャルソンヌスタイル

ギャルソンヌスタイルとは、
- バストを強調しない
- ウエスト位置は低い
- スカート丈を短め
- ストンと長方形のシルエットを描く
- 髪型は短め(なので、耳のアクセサリーは長めが多かった)
少年(ギャルソン)体型のような、ボーイッシュなスタイルです。
わたくしの好きなスタイルの一つです。
ほかにも、クリスチャン・ディオールのシルエット(ライン)である、アローラインや、リバティライン、スピンドルラインも好きです。
アローライン

頭から、脚の先まで「f」の字のように流れるラインを描きます。
リバティライン

ドロップショルダーと身ごろのダーツを入れない「間」による、自由さエレガントさが魅力
スピンドルライン

リバティラインの流れを経て、同じく「間」の美しさ。動きによる間の変化に美しさがあります。
まさに芸術です。ラインの勉強はまるで絵画に触れるような行為そのものです。てきとうなファッション雑誌よりも目の保養になります。
また、シルエットがつくられるためのパターン(型紙)の解説を読むと、美しい洋服のつくりについても知ることができます。
服選びは知的な営み
先日、同行ショッピングをご利用いただいたお客さまからの、すばらしい気づきと言葉をご紹介します。
服選びは天性の感覚がものをいうと思っておりましたが、むしろ知的な営みであること、知識と経験に左右されることに気づかされました。
わたくしが、ショッピングの際、自信をもって買うことができることの理由には、骨格診断やパーソナルカラーを知ること。それもありますが、もっと重要なことがあります。
むしろ、アパレル業界に長くいたおかげで興味をもつことになった、洋服にまつわる勉強の賜物だと自負しております。
シャネルの格言、強いメッセージ性
わたくしが洋服にまつわる勉強をしたきっかけは、シャネルの格言に触れたことによります。
ここから、デザイナーの考え方を学ぶことが好きになりました。ちなみに、シャネルが残してくれたたくさんの言葉のなかでも、一番好きな言葉はこれです。
私の人生は楽しくなかった。だから私は自分の人生を創造したの。
My life didn’t please me, so I created my life.
わたくしが「ファッションは、人生そのもの」という考えが根付いた理由にも、偉人の言葉から気づかされたことが、たくさんあったからです。
YOHJI YAMAMOTO
ちなみに、大好きなYOHJI YAMAMOTOの2019年春夏コレクションにこんなメッセージが。
トップスの真ん中あたりを、よーくみてください。

全部やって死ね(笑)
カッコよすぎます。
歴史を学ぶと、骨格診断の矛盾を見抜くことができる
ウエストの長さは、間延びではなく優雅
冒頭にも述べました、ギャルソンヌスタイル。

「ジャン・パトゥがデザインしたテニス・ドレス」
” Art,gout,beaute ” 1925年
イラストからもわかるように、ウエストが長いですね。
骨格診断の本などでは、ウエーブタイプはウエストの間延びに注意と書かれていますが、ギャルソンヌルックのロングトルソー(胴長)スタイルも、ファッションの歴史のなかで存在した、れっきとしたシルエット(デザイン)です。
個人的には、ロングトルソーは優雅でエレガントで素敵だと思っています。
それは、「間延びではなく、優雅」です。
ウエーブタイプに似合う、ココシャネル
ギャルソンヌスルックの胴長スタイルは、ココシャネルにも多くみられます。

ウエーブタイプに似合うとされるシャネルの服は、ギャルソンヌスタイルも数多く出していました。
シャネル本人も、そのようなファッションをするのが好きだったと思います。
わたくしはウエーブタイプの人に、ロングトルソー(胴長)が合うのではないか?と疑問をいだくようになりました。やはり、ウエストの間延びは優雅にも感じられます。
好みだとは思いますが、骨格診断で言われていることが本当に美しいか、本質を見極める必要はあると思います。
歴史を紐解き、文脈を知れば、骨格診断の情報に矛盾があることが見抜けます。