パーソナルスタイリスト・ツルタです。
男性のファッションに、「そもそも何を着たらいいのか分からない」という方も多いと思います。今回は、男性という生物学的存在からひも解く、おすすめスタイルのヒントを解説します。
目次
男性という生物は、昔から狩りをして生計を立てる「強い」存在
背景として、女性の潜在意識に「頼りたい」がある
いまの時代、さまざまな価値観があるなかで、男はこうあるべき、女はこうあるべきといった、ジェンダー問題を取り上げる趣旨はありませんので、最初に申しあげておきます。
さて、人間として、
「生きたい」
「食べたい」
「安心して暮らしたい」
「性的に交わりたい」
などといった欲求に素直にこたえると、女性は男性には「強くあって欲しい」、「頼りがいのある男性像を求める」ということは、いなめませんね。
ここでいう、頼りがいのある男性像とは、
- 「稼ぐ人」
- 体つきが大きい、「物理的に力のある人」
ということだけではありません。
ご承知のとおり、いまの時代、「男性が主夫をして妻を支える」スタイルも珍しくありませんので、
- 「精神的に頼れる」
- 「包容力のある」
といったことでも、頼りがいを感じられます。いまの時代は、頼りがいのある男性像にもさまざまです。
いずれにしても、女性からみた「頼れる男性像」という視点は、いつの時代になっても無視できません。今回は、この視点をファッションに取り入れましょうよという、おはなしです。
頼れる男性像とは、「肉体的」または「精神的」に頼れる人
あたりまえですが、がっちりとした体つきからは、肉体的に強そうなイメージを持ちます。
スーパーマンや正義の味方に、ひょろっとした男性像が見当たらないことからも、我々は幼いころから、
「肉体的に強い=頼りがいがある。」
と、インプットされています。
また、肉体的な側面からだけではなく、精神的な側面からは、
「知的で」
「懐の深い」
「精神的にゆとりのある」
「包容力のある男性」
といったイメージが、大人の頼れる男性像につながります。
肉体的にも精神的にも頼れる男性像は「スーツ」。
スーツは、上半身の胸のハリを強調させるジャケットの存在が、男性をあたかたも筋肉があるような、マッチョな身体に想像させることができる洋服です。
スーツの歴史をみても、古くは階級社会からうまれた、「権威のある貴族」のための服であったように、知力と財力の象徴でもありました。
女性の意見に、「スーツをきた男性は、カッコよくみえる」といった意見があるのも、納得です。「スーツ」という存在は、肉体的にも精神的にも頼れる、「大人の男性像」を表します。
このようなことからも、「肉体的な強さ」と「精神的なゆとり(包容力)」を表すには、スーツ(またはジャケット)が必須なのです。
男は黙って、アルマーニのシルエットをまねしよう
上半身の「筋肉美」と、下半身の「ゆとり」
ここで、「ジョルジオ・アルマーニ 2018-19秋冬コレクション」をご紹介します。




強さのシンボルであるハリのある胸元は、男性の色気を感じさせ、ボトムスのユルいシルエットからは、大人のリラクシング(ゆとり)を感じさせます。
ミリタリージャケットやブルゾンは、カジュアル過ぎません。アルマーニならではのスマートな上品さと、男性的な無骨さをあわせ持っています。
また、無骨さでいえば、足元を重たさのあるブーツへ落とし込むことで、さらに無骨な男性像を表しています。
「強い男性像」には、上半身の筋肉美をイメージさせる、ハリのある「ジャケットやブルゾン」が必要であり、「ゆとりある男性像」には、地に足のついたがっちりした下半身と、ゆとりを感じさせる、「リラクシングを取り入れたボトムス」が必要であります。
それでも「スキニーパンツ」を履きますか?
リラクシングの真逆である、数年前に流行していたスキニーパンツ。
そのシルエットは「か細く」、生地が少ないことにより「貧相」で、前述のとおり、リラクシングの真逆になるわけで、現代の「流行」から離れてしまっています。
①「か細い」
②「貧相」
③「流行でない」という3つの理由から、
大人の男性がわざわざ履くパンツではないように思います。
①シルエットが「か細い」ので、実際の下半身をか細く思わせます。それはまるで、成長していない子供のようです。子供っぽく見えてしまうスキニーパンツを、わざわざ大人の男性が履く理由が、どこにあるでしょうか?
②「生地が少ない」と、貧相に見えるわけは、短パンが安っぽいのと同じです。当たり前ですが、生地をたくさん使えばそれだけコストがかかるので、商品の値段も上がります。生地の分量が少ないということは、コストも下がり、安い服となります。よって、「財力のある男性像」とは縁遠くなります。
③「流行」という点からみても、ビックシルエット、オーバーサイズといった、「リラクシング」が流行であるいま、スキニーパンツをわざわざ履くには及ばないものだと、考えます。
これを読んだ女性のみなさまも、この考えに気に入って頂けたら、大切なパートナーに、スキニーパンツや短パンを履くことをやめることを、おすすめしてみましょう。
大人の男性には、黙ってスラックスを履いてもらいましょう(笑)